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​吉川なの葉

2021晩秋シーズン

ゲストクリエイター

演り人インタビュー

吉川なの葉

『煙草とguyについて』作・演出

 
たぶん言葉がいっぱい出てくる作品になるので、好きな言葉や景色を拾っていただければと思っています。

 2019年秋-2020新春シーズンにて新作上演された『煙草とguyについて』。コロナ禍で製作中止した2020初夏シーズンを経て、2021晩秋シーズンで再び演出を担う吉川なの葉氏に、製作に向けた思いを伺いました。(聞き手:紺野)

August, 2021

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『煙草とguyについて』の戯曲提供とゲストクリエイターとしての演り人知らズ参加は、2020新春シーズンでの上演に続き、二度目となります。

 

 1回目と違うのが、(登場人物のひとりである)「ガクセー」を私ではない他の演者(佐藤亜矢)にお願いすることが決まったことで、もう少し演出的な面で観やすくできたらと思っている状態です。前回は、お客さんの受け取る印象が私と違ったというのが面白くて。ただうるさかったとか、ただ踊ってる人が書いただけだよねという感想になるだけだろうなと心配していた部分があったんですけど、ダンサーが創るという部分がうまく活かせていたよねという人もいてくださったので安心しました。やっていることはそこまで大外れしてないんやなという。

煙草とguyについて2020新春

煙草とguyについて|2020|AHAアトリエ・ギャラリーにて

―ほぼ初めてに近いお芝居形式での作品発表でした。

 自分の好きな作品の種類的に、何か考えるきっかけになるものが掴めると、観た時の嬉しさが強いので、見てくださった方が何か掴めるものになればと思っていました。説教臭い話なんですよ、私が書いたものって。しかもうるさいし。キーキーわめくし、ドッタンバッタン誰かがしばかれたりするし。そんな中でも、楽しいところがあったりとか、わりと狙っていたところで楽しんでくださった方が見られたというのはよかったなと。あと、笑えそうな場面を、絶対笑うなよと思って書いていたところがあって。不謹慎なことを笑うのがはばかられる空気感って、どうしてたって面白いと感じてしまうと思っていて。そこで笑う人がいたら、こいつ倫理観ヤバイやつやぞ、みたいな空気感が観ている方々に感じられる瞬間はあったんじゃないかと思うし、逆にそれを気にせずに笑うお客さんもいらして。扱っている題材については、茶化したりネタにもしてはいけないと思っています。でもネタにして茶化した方が、気にしていなかったり、耳を塞ぎたくなるようなことでも、向き合いやすくなる、ということを自分が信じてるから、笑ったり楽しませることを選んでいるんだと思います。それを茶化したまま伝えていいのかは、迷いがありますが、何か掴めるまではやり続けようと思っています。

―昨年、2020初夏シーズンでの上演予定がコロナ禍で製作中止となっての、仕切り直しでの2021晩秋シーズンです。

 一人のときよりは心強い。(前回は)「ガクセー」も、演出も、ホンも、振付も私でとなったので、もうわけがわからんかったので。どうしたらそんな馬鹿なことを一人でやろうとしたのかと思ったけど、今は佐藤さんがいる。最初はホンを読み返すのも嫌で全然進まなかったんですけど、最近一人で稽古をしはじめたら、だんだん台詞を言えるようになり、振付もああしたいなこうしたいな、これって佐藤さんはこうできるんかなとなってきた。自分じゃない人がいて、試せる可能性がある。実際何回も映像を観たんですけど、まとまりってどこにあったんだろうという気分になったところがいっぱいあって。今はこうした方がよかったのかとか、佐藤さんがやってくれたらこう変わるのかなというところもあって心強いです。(共演の)松竹亭ごみ箱さんもこのコロナ禍でもいっぱい他の演劇作品に演者として出演されて動き回って頑張ってくれている人で、本当に些細な連絡をしてもパッと返してくれたりとか、稽古始まる前にこういうイベントあるからみんなでいかん?とか、声をかけてくださったりして、うまくチームを保とうとしてくださっているのがありがたいなと思う。(前回音響の)竹田淳哉さんも音響の相談をしたらすぐに対応してくださって、詳細を聞いたら、前回そんなことまでしてくれてたのってはじめて知ったこととかもあって。頭上がんないです。まだ3人の稽古がはじまっていないのですが、一人で稽古している感じでは前より安心して進めています。ホンも出来ていますしね。リライトもしてますが。ちょっと振り付けを増やそうとか、ちゃんと見やすく動きを整理しようとすると台詞を減らさないと追いつけない部分が出てきて、削ったりしています。大筋は変えなくても大丈夫そうだと今はなっています。

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2021晩秋シーズンのゲストクリエイター(右が吉川氏)

 

―最後に、この上演でどういうものをお客さんに届けたいかお聞かせください。

 

 たぶん言葉がいっぱい出てくる作品になるので、好きな言葉や景色を拾っていただければと思っています。投げやりに感じるかもしれませんが、見たり感じて、受け取ったままでいいと思っています。それが、その方の関心のあるもので、私以上に関心があることだったり、私以上に大事にしたいことだから、怒りや戸惑いがわくのかもしれないし。それを大切にしていただけたらと思っています。

 
吉川なの葉

ニューイット

ダンサー。デザイナー。名古屋のコンテンポラリーダンスシーンを盛り上げようと活動するナゴコンのメンバー。ダンス作品ではないテキストを大事にした作品を作るという目的で、個人企画「ニューイット」を作る。

 
公演概要

演り人知らズ

2021晩秋シーズン

煙草とguyについて

作・演出 吉川なの葉(ニューイット)

2021年

11.4thu-7sun

AHAアトリエ・ギャラリー

演り人2021晩秋シーズン
 
​キャスト

佐藤亜矢松竹亭ごみ箱(afterimage)

 
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