TERU
2019秋-2020新春シーズン
ゲストクリエイター
演り人インタビュー
TERU
『キズグチ』演出
戦っている女の子みたいなのを
テーマにして描きたい
2018年開催の演り人博覧会にて初演された『キズグチ』の初レパートリー上演では、名古屋で活動する「なんだかんだクレイジー」のTERU氏がゲストクリエイターとして演出を担います。初の外部かつ既製戯曲の演出を控え、その思いを伺いました。(聞き手:紺野)
May 26, 2019
―意気込みを教えてください。
前回は演者として参加して、すごく楽しくやらせてもらって。その時は、やっぱり、自分自身クリエイターというか作家側もやっている人間だったから、当時自分が演者側をしたときのクリエイターの人たちがちょっとうらやましいなとか思ったりもしていて。自分自身、既製というか誰かの戯曲を演出するという機会はなかなかなくて。やりたい気持ちは少しばかりあったんですけど、あらためてそうやってつくっている人たちのやつ観て「ああ面白そうだな」と。(製作総指揮の)ぶどうさんがいろんな人の作品の演出手掛けて、いろんなやり方があるんだな、みたいな。戯曲だけでここまで表現とか思いつくのは楽しそうだなと思って。今回、いよいよこうやって機会いただけてすごく嬉しくて。しかもそれがちょっと癖の強い「キズグチ」(作 斜田章大)という作品。自分が演者として出たときにも、ぶどうさんが演出を手掛けているのを観て「ああ面白いな」と思っていたので、まさかそれをやらせてもらえるとは、という感じですね。
キズグチ|2018|ユースクエアにて
―作を手掛けた斜田さんのセルフカバーバージョン(廃墟文藝部|2018)も観ていますね。
一応イメージはこびりついてはいるけれども、それはなんとか払拭して。自分の色を出すのは結構得意というか、強味ではあるので。今まで観たのがやっぱり、どちらとも大きく言えばポップな感じだったから、ちょっとアウトローな感じにしたい。それがなんクレ(注:なんだかんだクレイジーの略称)らしさでもあるし。パンパンパンパンとテンポよく、バーッといっていた感じなんですけど、逆にちょっとスローリーに攻める感じというか。キャラも本当にポップなアニメみたいなキャラクターだけど、どちらかというと泥臭い、映画みたいなキャラクターというか。人間離れはしてほしいけれど、ヒダリテ(注:劇中の登場人物。主人公が自傷行為した患部に人格が芽生えて喋りだすキャラクター)には。主人公には主人公で、ただの女の子というよりかは、これまでの『キズグチ』の主人公を観てきた感じだと本当にシンプルな、葛藤を抱えているめんどくさい女の子という感じだったけれど、そうじゃなくて戦っている女の子みたいなのをテーマにして描きたいです。
2019秋-2020新春シーズンのゲストクリエイター(右端がTERU氏)
―見どころは。
主人公の役者として、ウチ(なんだかんだクレイジー)の森夏音をはめているので、それが強い武器になるんじゃないか。こいつがいてこそ、自分の色を出せるはずだと思います。
TERU
なんだかんだクレイジー
劇作、演出。名古屋拠点に活動。第四回名古屋演劇杯にて#2『色即是空で無様なおまえ』が特別賞を受賞。"唯一無二"の世界観と評される作風。
公演概要
演り人知らズ
2019秋-2020新春シーズン
キズグチ
演出 TERU(なんだかんだクレイジー)
作 斜田章大(廃墟文藝部)
2019年
10.18fry-20sun
AHAアトリエ・ギャラリー
キャスト
森夏音(なんだかんだクレイジー)|TERU(なんだかんだクレイジー)|まとい(劇団蒼天の猫標識)